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ITだより

理化学研究所(神戸)の次世代スーパーコンピュータ施設を訪問しました

最近、事業仕分けでも有名になりましたが、「次世代スーパーコンピュータ」という言葉をご存知でしょうか。それは、文部科学省が開発を主導して世界トップクラスを目指しているスーパーコンピュータのことです。現在、理化学研究所が、その施設、計算科学研究機構を神戸に設立しています。9月にこの施設を見学する機会がありましたので、ご紹介します。

立地
理化学研究所計算科学研究機構は、神戸のポートアイランドの南西部に位置し、三宮駅からポートライナーで15分ほど南下したポートアイランド南駅に隣接しています。ポートアイランド北部では多くの商業施設がありましたが、施設の位置する南部では学校や病院などの施設が幾つかある程度であり、まだ開発段階でした。施設近隣では、計算科学振興財団や神戸大学統合研究拠点の建物が建設中で、次世代スーパーコンピュータを中核とした研究拠点の整備が進められていました。
施設概要
主な建物は3つあり、システムが配置される計算機棟、研究施設である研究棟、空調関係の機械がある熱源機械棟から構成されています。計算機棟脇の入口に入ってすぐのところに、筺体が一つ展示されており(写真参照)、次世代スーパーコンピュータの愛称である「京(けい)」という文字が隣に掲げられていました。「京」は10ペタフロップス(=毎秒1京《京は1兆の1万倍》回の計算速度)を目標としており、現在世界最速のシステムの約6倍の速さとなるそうです。一つの筺体には、4基のCPUが搭載されたシステムボードが計24枚装備され、それが800台以上も設置される予定です。また、筺体内部にはいくつものホースが見えており、消費電力を削減するための水冷システムが導入されているとのことです。 なお、システムの供用開始は2012年秋の予定です。
建物の構造
見学の中で施設の建設にあたり最も力を入れていると感じたことは、建物の構造です。建物には、高性能かつ高価なコンピュータが数多く配置されるため、震災時のコンピュータへの影響を最小限に抑える免震構造が採用されています。特に地下フロアに入ると、その空間は特殊で建物と基礎の境界を見ることができます。地盤との境界がお椀形のコンクリートで固められ、その上に積層ゴムによる免震装置を備えた基礎で建物が支えられているのです。そこでは、地震時の突発的な揺れを吸収する鉛ダンパーや鋼性U型ダンパーを間近に見ることができます。また、計算機室は数多くの筺体が設置されるため、約3,600㎡(テニスコード約4面分)もあるにもかかわらず、柱が一本もない構造となっていました。お話によると、建物は通常の梁を使うのではなく、橋梁用の梁を使用しているとのことでした。その理由は、計算機室には筺体(約1トン)が800台以上並び非常に大きな荷重がかかるためです。水平方向の梁は、直線ではなくアーチ型に曲がっており、全筺体が乗ることで均等に荷重分散され、直線になるように計算されているそうです。
最後に
この施設を見学したときは、まだ一部のコンピュータや電源装置しか設置されていませんでしたが、逆に完成前しか見ることができない建物内部の構造や規模がかえって良く理解でき、非常に貴重な体験となりました。11月20日(土)には、理化学研究所神戸地区一般公開が開催されます。(神戸研究所にて当日受付、無料)日本を代表する最先端の施設ですので、興味のある方は機会があれば是非訪れてみてください。この周辺はまだコンビニエンスストアがないですが、駅が非常に近いこともあり、いずれは大規模な施設が数多く建設され、利便性も増す場所となることでしょう。

写真 [上左]神戸の計算科学研究機構 外観 [上右]一つの筺体
[下左]積層ゴム [下中]鋼製U型ダンパー [下右]鉛ダンパー

神戸の計算科学研究機構 外観 一つの筺体

積層ゴム

鋼製U型ダンパー

鉛ダンパー

担当
HPC事業室
e-mail
request[at]cc.kyushu-u.ac.jp
Last Update : 2012.01.18 15:58 - (JST)
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